

このシルバーモスの魅力のとりこになったら、
しばらくはなれられないかも。
そのくらい、ファンが多い素材です。
白とグレーの表面から、そこはかとなく見える裏側の黒。
何とエレガント!
コケ類は広い面を覆うために使いますが、このシルバーモスはもっともっと大手を振って主役に抜擢したい。このモスだけを使ってシックな作品に仕上げたい・・・いつも思うことです。
もちろんあわせるのは黒。
シルバーモスと呼ばれるこのコケも実はフィンランドモスと同じく地衣類です。
そうコケではないのです。

「ウメノキゴケ」などといって、梅、マツ、桜、白樺など少し日の翳ったところの樹木の幹につきます。
地衣類という植物はとってもふしぎな生き物みたいです。体のほとんどを作る「菌類」がおうちの役割をして「藻類」がその住人みたいな・・・。
菌類は水分を、また藻類は自分たちが作り出した糖分をお互いに与え合う事で共生しているのだそうです。
また「ウメノキゴケ」は地衣染めという染色にも使われて、とても鮮やかなピンク色になります。このシックな本体から想像も出来ませんよね。
大気汚染にも敏感な生物で、空気のきれいな場所にしか見られないそうです。

白樺にシルバーモスと白系の素材を集めた壁面アレンジ
デンマークのクリスマス時期には、シルバーモスがぎっしり付いたカラマツの枝が、そのままディスプレイされています。
またシルバーラメが振ってあったりで、とっても素敵。
なんでもこなせる器用な俳優さんって感じでしょうか?
ディレクターの私に、あんな役もやって欲しい、こんな役もやってみて欲しい・・・
と思わせる魅力的な素材です。