




カラコレスらしさ満開。
新しい分野のアンティーク・クラフトという素敵な講座。
-アンティークコサージュ・レッスン体験レポート-

6月22日、長野市のホテル国際21を会場に開催された
「アンティーク素材で作るおしゃれなコサージュ」のレッスン。
これから毎月開講の「アンティークで作るクラフト」シリーズの第一弾です。

このレッスンを、「子どもの時から手芸は大好き。
でも、たまに編み物をするくらいで日ごろは手を動かしてない。
習い事もしていないし…」という、どこにでもいそうな私が受講。
その体験をレポート致します。(神無月・記)
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ホテルが会場っていい気分です。
早めに行ってロビーを行き交う人々を眺めるのも、背もたれの長い椅子ならではの座り心地を味わいながら、しばらくぼーっと過ごすのもリフレッシュになりそうです。
次回はモーニングコーヒーも、なんて思いました。

会場にはテレビ局の取材が入っていてびっくりしました。
しかもABNとTSB2局の方々。
私も取材しなくちゃ、と思って写真やメモをとっていたのですが「まず、お花を選んで下さい」と言われて数種類がセットになったアンティークのお花を選ぶ時点から、取材ムードは飛んでしまい、製作に夢中になってしまいました。
アンティーク素材のお話

講師は坂本裕美先生と中澤美恵子先生。
マルチな中澤先生は洋裁も専門のひとつということで布関係を含む製作の担当。
使用する素材のすべてをボストンのアンティークフェアで仕入れた坂本先生が講義の担当です。
まずはアンティークフェアの概要と素材のお話でした。
貴婦人達が愛用していた帽子のデザインがとてもおしゃれで見本として少し購入したとのこと。
帽子そのものは見せていただくだけ。
レッスンで使うのは、帽子を装飾していたコサージュ。
1930年から1950年頃の物とのことです。
きれいにしようとスタッフが洗ったところ、ただの布に戻ってしまって大失敗。
丁寧に埃を落としてバラバラにし、メインになる大きめの花に小花をセットしてありました。
花に添えるレースも各人に配布されていました。
もともとは長いドレスの裾を保護するアイデアとして考案され、デザインに凝るようになり、どんどん華美に精緻になることで職人の過剰労働や価値の異常な高騰が起きたことから、一時はレース禁止令も出されたとか。
などなど、興味深いお話がいろいろありました。
作り直すことの楽しみ

たくさんの種類の中から皆さん次々とお花のセットを選びます。
拝見していると、それぞれのウエアや雰囲気に似合う色合いだったり形だったりで面白い。
日ごろは決断力に自信のある私ですが、どれも素敵なお花選びでは迷いに迷い、くすんだサーモンピンクと同系色の小花、そして紫の小花のセットに決め、席に戻ります。
中澤先生がワイヤリングとテーピングの仕方を説明。
カラコレスの生徒さん達の間では基本中の基本のテクニックですが、当方素人のため坂本先生に教えを請います。
テープを巻いていると「几帳面ですね」と言われました。
確かに、見えない部分に余計な手間をかけてしまうきらいあり。
大勢の生徒さんを指導してきた先生の眼力に感心しました。

花びらが少しほころんでいたり、小さな穴があったり。
時代の波風をくぐり大勢の女性達を幸福にし、国境を越えてここにたどり着いたアンティーク。
すべてが愛おしく感じます。
その上、受講者の中の誰さんとは、元をたどると同じコサージュだったお花をシェアすることになるのですから、不思議なご縁も感じます。
花とレースとリボンとシャンデリアパーツ

メインのお花を組んで見て、イメージに合うリボンを選びます。
リボンももちろんアンティーク。
私は先生のアドバイスに従って紺色にしました。
リボンは丸くしてワイヤリング。
太めのレースにタックを取り、最後はシャンデリアのパーツだったという透明なビーズと細いレースを合わせてバランスを整えます。
初めてのアンティーク素材のコサージュが、なんとか完成!満足です。
子どもの頃、何か作り始めると止められなくなって深夜まで縫い物や編み物をしていたことを思い出しました。
今はゆっくり手芸に取り組む時間が取れませんが、こうしてホテルの部屋でコーヒーをいただきながらの2時間程度ならなんとかなりそう。
いろいろな方々の作品が見られてアイデアが浮かんだり、クラフト好きならではの交流も楽しめました。充実感で午後からご機嫌に過ごすことができたのも意外な収穫でした。
参加者にうかがいました。

山本由美子さん
生花もドライも、お花のアレンジが大好き。
でもアンティーク素材の扱いは初めてとのこと。
「できているものをバラしてまた新しい物を作るというのが珍しくて面白いです。
昔の人が使っていた物をまた利用するのもいいですね」とのことでした。
同じものが絶対にないのも魅力。
黒系統の装いに青系統でまとめたコサージュが映えそうで、山本さんの華やかな雰囲気にぴったりの仕上がりになっていました。

山口徳子さん
ビーズがお得意。
ビーズとレースの素敵なお手製コサージュをつけてのご参加でした。
「もともとアンティークに興味があったので良い機会でした。
アンティークの魅力は人為的には表現できない色合いや風合いがでることです」と、選んだ素材の中のパールのようなビーズを示してくれました。
一部がはがれ、それが自然な模様のようになっています。
「同じものがありませんし、自分が迷って選ばなかったお花が、他の人の手で素敵なコサージュになっているのを見るのもとっても楽しいですね」とも。
山口さんのソフトなイメージそのままのオーガンジーの柔らかなコサージュ。
本当に素敵でした。