





感激!ライフ・シガースンとの再会
カラコレスのデザインスタイル確立のために欠かせないアーチストがいます。
それは、ライフ・シガースン。
もう20年近くも前、デザインを模索中に雑誌で見つけたシガースンの作品世界は衝撃でした。
繊細な魂がそこここに宿っているようなシガースンの世界にすっかり魅了され、会ってみたいと思うようになりました。

2001年、2度目のデンマーク行きで、私は雑誌の切り抜きを持って彼のアトリエを探しました。
大きな公園の脇にひっそりと立ち、2~3人でいっぱいになりそうなささやかな空間でしたが、独特の世界の広がりは無限に感じました。1人でお店番のシガースンは、親しみやすい笑顔で迎えてくれました。

その後、彼に会ってその作品世界に浸ることがデンマーク訪問の大きな目的になっていました。ただ、ニューヨークにも進出した彼は留守がち。私の著書に登場いただいた際は、本と訳文を持参したのに、当人には会えず、店に預けてきました。
昨年の秋、パリでのディスプレイの仕事の後、デンマークに立ち寄った時も、もちろんアトリエへ。でも、なくなっていました...。
近隣の人に尋ねても、消息は不明。
ネットで検索しても分からない。
残念ですが、諦めました。

整然としたワークスペースを
見せてもらいました
それから一か月後、生徒さんを案内してクリスマスのデンマークへ。
チボリ公園脇のホテルを拠点にコペンハーゲンを歩き、運河の裏側、静かなアンティークショップが並ぶ路地に入ったところ、心惹かれるウインドウディスプレイがありました。
入ってみると、店の入り口には小さいけれどあの懐かしい世界が現れました。
あっと、息をのむ自分の音が聞こえるほどの瞬間でした。
顔を上げるとシガースンが佇んでいるではありませんか。
彼も覚えていてくれて「あっ...」、9年ぶりの再会でした。

世界各地のアンティーク素材を
集めて細工、独自の世界です
1年前にアトリエを移転したとのこと。
私の著書もちゃんと手元に届いていました。
作品はどれも相変わらず素敵。
夢のような再会は、昨年の一大ニュースです。
アートを通じたら言葉も、時空さえも超えてしまうことができるのを感じました。(坂本裕美)