2016年の熊本で地震があったすぐあとに、
四十九日の法要のための「アートのお供え花」を
ご注文くださったお客様がいました。
お届け先は熊本の地震の地区。
お父様が亡くなり、四十九日の法要を
実家で迎えるのに急ぎ間に合わせてほしいと。
失意の上に、こんなひどい地震があって、
ご注文主さまの胸中を思うといたたまれない気がしました。
昨年の春、同じ方が今度は小さなアートの仏花を
ご自宅の普段使いに、とご購入くださいました。
再度のご注文を喜べる商品ではないのですが、
その時のことを覚えていたので、
先にご注文いただいたお品に傷みが生じましたら
お直しもできますからお声かけてくださいと
メールにメッセージを加えました。
すぐに長文のメールが。
地震直後の熊本にお花が無事届いてうれしかったこと。
実家のお花も今も変わらず元気?でいること。
そして何より、覚えていてくれたこと驚きました、と。
「四十九日の法要でお越しいただいたお坊さんのお寺は
全壊という大変な状況でしたが、
坂本様はじめいろんな方に助けていただきました。
その時のこと思い出し温かい気持ちになりました。」
最後は「嬉しくなり長文になったことお許しください。」と
締めくくられていました。
仏事のご縁は、あまり喜ばしいことではないかもしれませんが、
造花仏花は長く持つ分、
長いおつきあいができますことがささやかな慰めでもあります。
いつまでも咲き続ける花が、ほんの少しの励ましにもなればと思います。
お届け先が東日本大震災の津波で壊滅的打撃を受けた地区の
お寺さんであったこともあります。
ちょうど震災から1年たった日に、法要のお供えでしょうか。
大きなお対の寺院仏花で、奉納された方のお気持ちが推し量られました。
またお直しが生じましたら、
いつでもご連絡くださいませ、と言えるのが、
うたかたではない証、ご縁を紡いでいける証です。