家の北側に、この地区の住人で草取りをする小さな児童公園がある。
15軒ほどのエリアなので、全員で草取りしたら、
真夏の相当な草ぼうぼうの時でもあっという間にきれいになる。
子供たちが小さなころはブランコや遊具があったが、
メンテナンスが大変なのか、危険と認知されたのかで撤去されて、
今はベンチがひとつと砂場だけ。
公園の入り口にはごみステーションがあり、
週に2回はお世話になる。
私が公園を見るのはいつもその道沿いからの風景。
奥行きのない小さななんの変哲もない空き地。
今年は自治会の組長だったのだが無事終わり、
最後の回覧板や書類を、次期組長の公園前のお宅に持参した。
一通り説明して帰るとき、ふと見たそのお宅からの公園の景色が、
え?と見返すほど趣のあるたたずまいだった。
道に沿って縦長にある公園は、道から見るとずいぶん狭く感じるが、
そのお宅のフェンス越しの景色は、縦に長い奥行きがあり、
ベンチの向こうに木立が見えて、
30年近く暮らしていても気づかない心地よい空間だった。
枯れ葉が舞う季節はことさらかと。
視点を変えるって、こういうことなんだろうけれど、
30年暮らしていて毎日同じ視線で笑っちゃう自分と、
30年後にそれでも気づいたことに気づく自分と。
両方あって面白い。