コロナ禍になってすっかり家にこもる母を何とか連れ出すために、
父と3人で近所の佐久病院の桜を見に行こうと。
ここはツガミという精密機械の会社が戦時中は軍需用品を作っていた広大な敷地で、
戦後平和の象徴として「ミシン」を作ったりしていたが、
今は佐久の工場は撤退して大木の桜が残されている。
敷地のかなりな部分を、新しくできた佐久病院の医療センターが占め、
桜の花道を縫うようにリハビリ用の遊具というか器具も設置されている。
父が何年も前に入院した時には、桜の時期ではなかったが、
この散歩道にお世話になったそう。
その昔祖母が「ツガミの運動場で町の運動会がある」とか、
「おじいさんは今日はツガミの運動場で(何か)の大会に出てる」とか、
よく会話の端々に出てきた場所。
工場建設が昭和17年だから、あの桜も当初に植えられたとすると
樹齢80年というわけで、立派なわけです。
そういった零れ落ちていってしまう想い出に
一瞬でも浸った桜並木です。