実家にいてふと思った。
父ももう90歳、
今年は今まで飾ってなかったお雛様も全部飾ろうと。
というのは、この地域では男の子誕生のお祝いにもお人形を
贈る習わしがあったそうで、
父の90年前のお人形たちがいるのだ。
父の代のお人形、私と妹の七段飾り、
そして娘のために母が作った木目込み人形のお内裏様とお雛様、
三人官女に五人囃子。
お座敷に総勢何人いるんだろう?50人くらいか。
何かすごい熱気というか霊気というか(笑)。
実家のお仏壇には実験で作ったアートのお供えの花を沢山飾っているが、
今日はちょっとわきによけてもらって、
そちらの仏花の下にも緋毛氈を敷いて、隣に父の古めかしい人形たち。
白の仏花の下に赤いもうせんで、なんか、めでたい感じ(笑)。
このお人形はねえ、と父と母がやり取りするのも
数十年ぶりな気がする。
触ると壊れそうだったり、組み立て方法が今ひとつわからなかったりで
まあ、なんとなく形になってるお座敷の風景。
その中に異色の存在がある。
七段飾りの一番下に、アンティークドールが
これまた間に合わせの小さな服を着て座ってる。
これは父の伯父が大正時代に東京で新聞記者をしていて、
実家の妹(叔母)に買ってきてくれたものだとか。
父が知っているそのお人形はその昔は髪がカールしていて
素敵なお洋服を着ていたらしい。
が、私が発見した時にはなんと「愛国婦人の会」の手ぬぐいに
はだかんぼでくるまれていて、髪の毛もざんぎり。
経年劣化でボロボロになってしまっていた。
とりあえず、お人形の服を着せてはいるけれど、
なんとなく、このお人形を復活させてあげないといけないような気になった。
前にも一度書いたかもしれないけれど、ずっと気になっていたの。
家に戻って、知り合いのアンティークディーラーさんに助けを求めたら、
何とかなるかもと温かいお返事。
ヘッドマークわかりますか?と聞かれて、見たけれど、
写真を撮るのを忘れました。
小ぶりで、ザ・ビスクドールという迫力が全然ない、
でも18で結核でなくなってしまった叔母が
どんなにか大切にしただろうこのお人形。
ちゃんと復活させてあげたいと。
なんといっても、雛壇の隣がお仏壇なのだから、
ご先祖様もマインドコントロールしやすい(笑)。
私一人ではまたお蔵入りだけれど
助っ人がいるので、ぜひ一歩前へ。