福井県へ旅した続きです。
福井はモノづくりで名高い場所で、
地域ごとに織物、越前漆器、越前和紙など同種の工房が集まっています。
車で案内していただきながら、車窓に見える「細幅」とか「織物」は織物産業エリアだなとか、
「製紙」とか「紙」の看板が多くなると越前和紙エリア、
「塗」とか「漆」の文字が見えてくると越前漆器の生産拠点。
福井というとメガネフレームしか思い至らない自分が恥ずかしい(汗)。
リボンの工房から今度は車で30分の和紙の里へ。
私がディスプレイをしていることをカラコレスのサイトで知って、
女性社長さんが探してきて下さったこの和紙屋さん。
独創的で素晴らしかったのです。
古い建物の間を縫って、応接のような部屋をのぞいてご挨拶しますがお返事なし。
工房の水場にいらっしゃいました。
仕事の手を止めてエプロンで手をふきながら出てきたのは同じくらいの年代の男性社長です。
先ほどの応接室に戻ると、部屋の中には作品が所せまし。
しかもこんなアーティスティックな和紙を見たことがない。
まるでレースのようでありながら強度としなやかさを持ったタペストリー。
他にも和紙の上に墨で文字を書くのではなく、
最初から一緒に墨をすきこんでできている和紙。
卓上のライトのシェードにも和紙が使われていたり、
縄文土器の火炎土器が和紙で作られていたり。
とても独創的なエネルギーを感じる素敵な作品が並んでいました。





私がまゆと和紙の花の実物をお見せして、
世界で最も薄い土佐典具帖紙を使っていること、
ディスプレイにするときに幹になる部分を
軽量の和紙でできないか考えていることなど伝えました。
こちらの真剣さが伝わったのか、
まだ海のものとも山のものともつかない未来の話にも
ちゃんと相手をしてくださいました。
いろいろな場所で展示会をしたい旨伝えて。
作品が大きかったり重かったりというのを避けるために、
背景を和紙にするのはどうかと考えている。
ただこちらの和紙は固いので、
大きすぎるのを小さくたたむと折れますね、とか。
社長が、だったら最初から小さく作ればいい。
小さく作ってつなぎ目を磁石でつなぐ。
切り口が見えてしまいませんか?と聞くと、
そういう時には最初から離して漉く(おお~)。
で、つなげたときに一本の木になるように(おおお~)。
あいだを離して漉きます。
例えばこのランプシェード、
幹のように見えるけど、
長方形の和紙を横に数段つなげて結束バンドでつなげてある、と。
だんだん社長が乗り気になってきて、
提案をどんどんだしてきてくれるようになりました。
私としては、いずれコルク風の幹なんかを和紙で作れたら
すごく面白いなと思います。
まだまだ頭の中だけの構想です。
それにお付き合いくださる方がいるのが心強い味方です。
大きめの和紙を参考までに幾枚も購入しました。
多分オーダーメイドの作品の実験で作った和紙たちです。
うちがそうなのですごくよくわかります。
スペシャルなものを量産できないですから。
素敵なので少しお見せしますね。






こちらはホテルの天井ディスプレイだそうです。
素敵です!!

ご紹介くださったリボンの女性社長さんも、
福井にいても越前和紙を漉く工房を見るのは初めてだそうです。
私と一緒に興味深々でした。
ここ、襖大の和紙を漉いているのは越前だけ。
しかもそれを手漉しているのは5軒だけだそうです。
サンプル?ないんですよ。
こんな和紙が欲しい、と言ってもらえれば作れると。
あ====ここにもアーティストが~。
すべては相談と試作の繰り返しだと。
花とリボンと和紙を手掛ける3人に、
同じ匂いがする。
たぶん無理難題をお願いすると思います、というと、
そういうの大歓迎です、と。
何か新しい発想がわきそう。
今後に向けて発展がありそうです。
ここまでをつなげてくれたリボンの社長さん、
またそもそものご縁の発端を作ってくださったクリスマス会でお会いした方、
感謝してもしきれません。
もう皆さんのご縁が絡まっていて、サポートが厚すぎます(^O^)。
新しい実験が始まる予感がします。