




今年は柿が不作のようだ。
我が家にある1本と実家にある7本のうち実が付いている木があまりない。
それだけある木のほとんどが渋柿だから実った年は大変、総出で干し柿作りに精を出すことになる。
私は不器用なので皮を長くむけないが、母のは芸術品だ。
ここ最近父も干し柿作りに凝っているみたいで「今日は60個をむいた」なんて言ってる。
肩はこるし手は渋で黒くなるし。
でも出来上がった干し柿を刻んでりんごと紅茶と一緒にティーポットに入れて作るアップルティーは、一味違った優しい甘さでのんびりできる。
甘いお菓子が大好きな夫の母にも毎年送っている。
我が家の秋のイベントである。
ドライアートにも秋のイメージがある。
クリスマス前には木の実で作ったリースが登場するなど、盛り上がりは一層である。
が、少々秋に偏りがちなドライアートの世界に幅を持たせてくれたのが、10年ほど前に登場した生花の風合いそのままに特殊加工したプリザーブドフラワーである。
着色されたプリザーブドフラワーには青やグリーンのバラもあり、真夏でも水の供給無しに生花の質感を保てるため、活躍の場が一年中なのだ。
そんな華やかなプリザーブドとドライ素材の競演がまた今年も開催される。
「第11回 カラコレス生徒作品展」11/23(金)~11/28(水)
ながの東急 別館シェルシェ4階オフギャラリー&5階連絡通路
生徒さんが想いを込めて制作した作品は見ていて楽しい。
作っている時の高揚感がこちらにまで伝わってくる。
プリザーブドフラワーの豪華さと個性的なドライ素材のそれぞれの組み合わせが他にないオリジナルな世界を創り出す。
母体がドライアートのデザインスクールであるからこそ提供できるノウハウである。
私たちが目指しているのは、作品が家に持ち帰られて飾られたあともずっと「幸せ感」が続くこと。「飽きの来ない美しさ」、「少しずつ枯れていく美しさ」でもある。
「ずっと変わらない」というのは私たちにとっては気持ちが悪いことなのだ。
大事にしたいのは変化のスピード。
根から切り離した生花のように急激に枯れることもなく、また変化がおきないわけでもない。
ゆっくりゆっくり枯れていくそのスピードが好きなのかもしれない。
思えばスクール名の「カラコレス」もスペイン語の「カタツムリたち」の意味。
そんな「カタツムリたち」の力作が並んだ秋の作品展、ぜひご覧ください。
カラコレス・プリザーブド&ドライアートスクール代表 坂本裕美