




我が家のテレビの上には6人の仮面ライダーがいる。
ゴム製のではなくて、陶器で出来ていて顔の部分がバネでぐらぐら動くもの。高さ10センチくらい。
メンバーを紹介すると、旧1号、V3、アマゾン、ストロンガー、クウガ、アギトと以上6人(6人でいいのかな? 仮面ライダーって何と数えればいいの?)
それぞれ5センチほどの丸い台座の上に立っていて、それが幅4センチのテレビの上に並んでいるのだから実に不安定。現に私がぶつかって全員落とし、ストロンガーのつの?を割ってしまった。しかしアロンアルファで再生した彼はまたしても登場。
この緊張感極まりないコレクションの主は9才の長男。
何年も前から大事にしている。
ことに彼が気に入っているのはアマゾン。グリーンのベースにマーブル模様の赤がはいった異色の存在。どうしてこれが仮面ライダーにいるのかわからない。だって仮面ライダーって虫でしょ?どう見てもこれだけカメレオンだもの。
アマゾンだけは私の趣味(?)に合わないのでこっそり退場させようとすると、見つかっていつの間にかテレビの上に戻っている。このヘビーなデザインが彼のお気に入りなのだ。
もっと前、ウルトラマンの時もそう。スマートなウルトラマンにはたいして興味を示さず、エレキングみたいな白黒まだらの、やっぱりくどいキャラクターがお気に入り。
彼の好きなデザインはいつも「濃い」のだ。
これから先、彼の嗜好がどのように変化するかわからないが、大人になって「そういえば小さいときからねえ・・・」なんて会話がなされるのかどうか。ちょっと楽しみにしている。
一方自分の小さかった頃に思いをはせると、青い色にまつわる思い出が多い。大好きなのだ。
青と言っても濃い瑠璃色。色に関連する思い出が多いが、かなりの数がこの濃いブルーとセットで登場する。
引き出しにしまわれたちいさなボタンのブルーや、ガラスの注射器の吸い込まれそうなブルー。古い旅館の壁に直接描かれた青い鯉の滝登りの絵・・・。たぶん小学生の頃に目にしたもの達だが、今でも鮮やかによみがえってくる。
気が付けば大人になっても青がはいった風景を探している。聖堂のブルーのタイルやステンドグラス。日常に現れる一こまにも・・・。
こんな分かりやすいパターンではなくても、関連性を感じるときがあるし、少なからずカラコレスの世界を創るのに影響していると思う。
「子供時代にすでに好みの兆候が現れている」というのは、自分の過去を振り返っても、充分納得である。昔のアルバムを一度ゆっくりひもといてみようかな・・・。
ところで先ほどの長男、幼稚園の頃はよく「ねえママ、この仮面ライダーの中で彼氏にするならどれがいい?」なんて言っては絵本をたくさん持ってきた。
変身しちゃったのから選べって言われても、ねえ。
カラコレス・プリザーブド&ドライアートスクール代表 坂本裕美