

ちいさな宝物をさがして
~お散歩の景色から~
私のお店「カラコレス」はスペイン語でカタツムリの意味です。 複数形ですから「カタツムリたち」といったところでしょうか?

この仕事を始めた13年前、英語では意味がストレートに伝わってしまうし、フランス語は響きが浸透しているし・・・とあれこれ迷って決めました。「のんびりゆっくり」いかにもマイペースな店名になりました。
さて、最近我が家の近くではほとんど見かけなくなったカタツムリ、デンマークでたくさん会いました。

エスタブローのアパートメントの近くに18棟建ての集合住宅があります。
二階建てで壁は黄色、ドアはグリーンのおそろいのスタイル。家の前の細い路地を挟んで小さな庭があります。
庭もそれぞれ住宅ごとにスペースが決まっているようです。
芝生のベンチに腰をおろしてビールを飲んでいるおじさんや、木陰で読書をしているおばあさん。
静かなメルヘンの世界に迷い込んだようです。

11才だった長女はすっかりこの空間が気に入ってしまい「撮りたいところがいっぱい!」と片時もカメラを手放しません。
風に揺れるロープにところどころ付いている洗濯バサミや、すき間に草の生えている石畳、かわいい椅子や太ったネコ・・・
そんなものが彼女の心を捉えるようです。木の枝にロープでつるしたブランコもありました。
石畳とドアのほんの少しの隙間に、バラやアイビー、藤づるなどそれぞれの植物が育っていて、それが同じデザインの建物にアクセントを与えています。

長男はカタツムリをみつけました。色々な種類のがいます。
大きいのや小さいの、茶色や黒地に黄色模様の大胆のも・・・。
その辺の葉っぱをくるっと裏返せば、いたるところにいるのです。まるで当たり前のように。
アパートメントから歩いて2~3分のこの「カラコレス空間」が楽しくて、滞在中たくさんの時間をここで過ごしました。
のんびりゆっくり無目的・・・今はなかなか取れない時間です。