
黒がテーマの2006年クリスマスデコレーション

ロイヤルコペンハーゲンのモノクロのテーブルコーディネイト
何回目かのクリスマス前のコペンハーゲンに出かけてきました。
昨年、信濃毎日新聞社から著書を出版したこともあり、本の編集に際してお世話になったデンマークの方たちに、直接お礼を兼ねて本と翻訳文をお渡ししました。
突然決めた訪問のため、活動の拠点をニューヨークに移していたアーティストや、仕事で海外に出かけていたりで会えない方もいましたが、それでもお会いしてお渡しした方は皆ご自分の事のように喜んでくださいました。
中にはスウェーデンから100キロの道のりをたった15分お会いするために来てくださった方もいて、国境を超えて様々な人たちに支えられての出版であった事を改めて実感し感謝の気持ちでいっぱいになりました。

さて、2006年のコペンハーゲンのクリスマス、テーマカラーは黒。
いつもカラコレスでは人気の色で、でもこの気品ある色を使いこなすのはとても大変。
そんな難題の解決をお手伝いしてくれるたくさんのアイディアが、ショーウィンドウのディスプレイにあふれていました。
白と黒でまとめたパターンが大変多く、歩行者天国ストロイエの食器店ロイヤルコペンハーゲンのテーブルコーディネイトも、高級生活雑貨店のイルムス・ボリフスの入り口のディスプレイも皆モノトーンの白黒。店外のもみの木には、ゴールドと黒の濃淡だけのボールのオーナメントが。
ひとつ間違えばとても寂しい色に落ち着いてしまう黒を、ここまで華やかに使いこなすのはさすがです。

老舗のフローリスト、エリック・ビアリンの店内も黒がメイン
今回リボンや材料の買い付けに行ったいつものお店の、色別に分かれた素材コーナーで、黒いリボンの棚だけが売り切れで空っぽになっているのが印象的でした。
これだけ町中で黒のリボンを使えば当然と納得です。
また、こちらは黒とゴールドの組み合わせも重厚なエリック・ビアリンのお店。
デンマーク王室御用達の老舗のお花屋さんで、そこで扱われるアレンジは伝統的なスタイルのグレードの高いものが多いのです。
作品の中に黒とゴールドを用いるだけでなく、真っ黒のキャンドルを並べておいた中に作品を展示するなど、飾り方もさすが。スクールの皆さんにお見せしたくて、アレンジを2つ購入。

一方、そんなモダンな色使いとは別に、街のいたるところに見える普通の素敵な飾りつけは、少しも力が入っていませんが充分クリスマスの風景になじんでいます。
白いフェルトで作ったハートに赤いボタンや赤の毛糸の縁かがりをつけたオーナメント。
麦わらで編んだ小さなトナカイやエンジェルを赤い毛糸でリースベースにいくつも吊るしたモビール・・・。
何年も大事に使ってきたと見える飾りたちがほほえましくて、力の抜け加減がなんともかわいらしくて。
先ほどの一分のすきもないデザインの先端とはまったく逆の風景ですが、どちらにも心惹かれる北欧のクリスマスです。