ヘルシンゴーへのちいさな旅

繊細な建築の中央駅
デンマークは九州ほどの小さな国です。
首都のコペンハーゲンからスウェーデン南部を循環する電車があり、国境を越えた小さな旅が手軽に出来ます。
コペンハーゲンのセントラルステーションは、まるで繊細なレースを思わせる赤レンガと鉄骨の歴史的建物。
ここから電車に乗り1時間程度で、シェラン半島の北の端、ヘルシンゴーへ。
ハムレットの舞台となった歴史ある町。
古い木枠の家並みが続く可愛らしい町です。
港の先端に建つ城は「クロンボー城」。
バルト海と北海を結ぶ重要な航路であるこの海峡で、国の威信を示しました。
が、仕事で訪れる事が多かったためでしょうか、観光名所にはあまり縁がなく、いまだに「あのアンデルセンの人魚の像」さえ尋ねていないのです。
ヘルシンゴーで目に留まるのは、16世紀の建物の可愛らしい窓。開けたてにコツがいりそうな、そのいびつな窓辺には、キャンドルありモビールあり・・・。
暮らしを大切にしている、そこに住む人の姿が思い浮かびます。
ここから対岸のスウェーデン・ヘルシンボーとは5キロくらいしか離れておらず、日に何本も運行するフェリーが乗船時間20分足らずで間をつないでいます。
スカンジナビアの人たちは互いの国を行き来するのにパスポートは必要ありません。
午前中にコペンハーゲンを出てスウェーデンまで行っても、充分日帰りで戻ることの出来る、ちいさな旅の距離なのです。