「つくる楽しみ」と「自分の好き」を追いかけること
クリスマスのプレゼントに、子供にマフラーを編みました。両側にぽんぽんの付いたシンプルな形ですが、仕事の合間をぬっての手作業なので、一段二段・・と実にのんびりした歩み。喜ぶ顔を思い描いて編んでいたら、いつのまにか作っている私が没頭し楽しんでいました。ものをつくる過程ってなんでも一緒でしょうか。
ドライアートの制作をしているときも同じことを感じます。まずはじめに構図を決め、素材の下準備をして、ワイヤリング、テーピング・・・と地道な作業が続きます。私がつくるものは、見てくださるお客様のためのものですが、気が付くと集中している自分がいます。産みの苦しみ?と楽しみでしょうが、比率にしたらだんぜん楽しみが上。
出来上がったデザインは第三者の目をもってチェックします。最初の頃、思い入れのある自分の作品が、独りよがりのものにならないよう肩越しにミラーに写してチェックしていました。私の中の自身の眼と第三者の眼、両方の眼がОKを出して、はじめてカラコレスのデザインとなります。
レッスンでお客様の様子を拝見していても、制作の時間そのものを楽しんでいらっしゃる様子が伺われます。リボンをつけ完成した作品を前にした途端、現実に戻るような…。集中しているときってなんにでもそんな瞬間があるのですね、きっと。その心地よい疲れが却ってリフレッシュになるとおっしゃる方も多いです。
また、クリスマス前に子供たちだけを対象にちいさなリース教室を開きましたが、こちらも新鮮な驚きでした。
誰一人モデルと同じ物を作らないのです。中には花材を半分以上残す子もいて、「わたしのはこれで出来上がりなの」ときっぱり言い切ります。
見ていて気持ちが良くなるほどに。
「絶対にこうしないといけない!という決まりはないの。先ずはあなたの好きなようにやってみましょう。」… しばしばカラコレスのレッスンに登場するせりふです。
はじめてこう言われた方は「私の好きなのってどんなの???」と立ち往生してしまいますが、子どもは「自分の好き」に素直に耳を傾けられるみたい。「自分が好きな事」、ヒントは意外と子ども時代にあるのかもしれませんね。このお正月、あらためて昔のアルバムをひもといてみようかと思っています。
カラコレス代表
坂本 裕美