




カレッジ事情とアレンジスタイルをご報告します
今回の旅の最も大きな成果は、カラコレス発足当初からの希望だった、デンマークでのレッスンの具体的な足がかりがをつかめたことです。いよいよ現実味をおびてきましたので、本場でのレッスンに興味のある方は、ぜひ今から準備をととのえていてください。来年にはツアーを実施したいと思っています。
デンマークにはたくさんのスクールをいくつか訪ねて、お話をうかがったり、実際のレッスンを見学して、好印象をもったスクールを今回は紹介します。
Roskilde
首都のコペンハーゲンから電車で約20分の広大な平地に建つ大きなカレッジです。コペンハーゲン空港からも電車で45分ということですから、デンマークの風景を楽しみながらの旅にはちょうどいい立地といえましょう。
設立が1840年。毎年、正規学生だけで約1,700人が学ぶという、デンマーク有数の規模と歴史を誇る州立専門学校です。教師の数が180人ということです。
たくさんの学科がある中で私が訪ねたのはフローリスト養成のための講座です。これは学校の「緑学部」の中のランドスケープ・ガーデニングというコースの中の一講座で、すでにこの道で職業経験のある人のスキルアップや、フローリストになりたいという人のためのものです。ですから、さまざまな年齢層の人が学んでいるのも特徴でした。ここに混じってのレッスンはいろいろな意味で有意義だと感じました。
状況設定をしてデザイン
学校では花の栽培もしていますが、フローリストが使う切花はオランダからの輸入品も使い、花材は豊富です。クラスは初級と上級に分かれていましたが、上級になると内容は高度で、それぞれの個性が感じられました。この日は、自分で状況を設定して、それにふさわしいテーマのデザインをするという課題です。「水」をテーマに芸術性に重点をおいたデザインをする人もいれば、ブライダルという身近なテーマに取り組む人もいました。
見ていて気付いたのは、花の首が見えないくらいにギッシリと詰め込むスタイルであることです。これが、スカンジナビアデザインの中でもデンマークデザインのユニークな点です。なお、ドライのアレンジはこの学校の講座にはないとのことですが、対応は可能とのことですし、生花でしっかりとデンマークデザインの基礎を学ぶ意義は大きいと思います。
カラコレスの独自性を発見
学校見学でカラコレスの独自性に改めて気付きました。ひとつはアートと呼ぶにふさわしいレベルの高さがあることです。基礎訓練のみで、ここまでの作品を仕上げる皆さんの力は国際的にも通じるものですし、私自身もデンマークでの個展開催に向けての自信を深めることが出来ました。