




デンマークのアーティストです。
私が最初の本の中で「最も影響を受けた最も好きな作家」と
紹介しているアーティスト。
コペンハーゲンに行くたびに彼のアトリエを訪れては
ノスタルジックな作品に出合うのを楽しみにしていました。
教室のアートツアーをするときがあったら
必ずレクチャーしてほしいとお願いし、「もちろん」と答えをもらっていたのに
そのあと会えない時間が過ぎました。
一か月前にローゼンボー宮殿のわきの
常設のアトリエを訪ねたら、中は空っぽ。
周りのショップに聞いても彼の消息を知る人もおらず、
ネットでも検索できない状況でした。
2000年代半ばにはニューヨークにもショップを出していたはずですが
ソーホー近くのそのショップには訪ね当たらず、
2006年に前年に出版した私の本を携えて訪れた時も
デンマークのアトリエは人に任せて不在でした。
その彼に会ったのです。
ニューハウンの港町の裏のアンティークショップ通り。
ウィンドーディスプレイが素敵な小さなお店を見つけ
同行の生徒さんに「のぞいてみよう」と誘い中へ。
ドアを開けると小さくて素敵な世界が広がっていました。
古い紙を細工して作った手のひらに乗るバスケットや
アンティークの楽譜をカットして
折りたたんで作った小さな扇子に古びた色のリボン、
ニットで編んだ不揃いの編みぐるみや
古い世界地図をカットして作ったナプキンリング・・・。
自分が息をのむのを自覚したのはこの時が初めて。
後ろの生徒さんに「・・・すごく素敵かも」と小声で言って
振り返ったらそこにライフ・シガースンが立っていたのです。
お互いに「あっ!」っと・・・これが9年ぶりの再会です。
そうだったのね、作品が私を呼んでいたんだ。
この作品を作れるのはやっぱり彼しかいないんだわ!
彼の作る世界は健在でした。
こちらのアトリエも一年前に移転したそう。
2006年にアトリエで託した本は
ちゃんとわたっていました。
ああもう・・・これは私にとっての今年一番のニュースです!!