




無事京都でのお供えの花をご紹介する見本市を終えた後、
一日自由時間がとれたので、さあどこに行こうか。
ここ数年京都ではディスプレイがあったり撮影があったり
展示会があったりと結構頻繁に来るようになったのですが、
いつも弾丸旅行であまりゆっくり歩いたことがない。
秋の京都は、それなりに込んでいるので
行く場所も選ばないと・・・たぶん人がいなそうなところ。
選んだのがすこし外れたところにある伏見稲荷大社。
赤い鳥居が並んでいるのが幻想的で、
一度は行って見たかった。
ところがここは外国人観光客に二年連続人気ナンバーワンということで、
境内の途中までは大変混雑していました。
途中までというのは・・・どうやら私はメインのお参りコースではない、
修行の気配がする信仰のお山へ登る道を選んでしまったみたい。
境内の案内マップを見たら、たいていの人が千本鳥居を抜けた奥社までで戻ってしまうらしい。
あるいは山の頂上へ向かうにしても左側の鳥居の並んだ整理された階段を上るみたい。
私が選んだのは反対側。
いわゆるお山めぐりのコースとも別みたい。
境内マップにも出ていなかったのに、一人私の前を歩いていた人がいたのでなぜか引き寄せられてそちらへ。
出来るだけ、人がいないほう、
歩くなら時間がかかる方を選んでしまう私は、結局望みどおりの道を行くことに。
気が付くと前を歩いている人はいつの間にかいなくなり、
周りはうっそうとした竹林。
道も人が一人通れるくらいの細さが続いている。
本当にここでいいのかなとドキドキしながら進んでいくと、
日もあまり挿しこまない林の中にいきなりお墓の一群?
それぞれの石塔の前にぴったり同じくらいの石の鳥居が作られていて
それを守るかのように両側においなりさん。
しーんとした中にそのまるでお墓の様な「お塚」が群生。
もう絶対サスペンスに出てくるのだ、ここは!という感じの場所です。
苔むしていて、ものすごく古いというよりは、明治時代位な感じの
会社名の入ったお塚が結構あって、それが一層の迫力。
大量の石塔、鳥居、おいなりさん。
それを見た途端鳥肌が立ってしまい、とりあえずお参り。
行く先々にその一群が現れて、いったいここってどういう場所?
後で調べたら明治政府の神仏分離であちこちに分散していた
新興宗教や雑多?と言ったら叱られるかな、な神々がここに集められたらしい。
それらを祀ったのがこの一つひとつのお塚で、
この稲荷山には一万基もあるのだそうです。
それまで神仏習合だったのは歩いていても名残りがあります。
神殿に向かって般若心経を唱える人がいて、
あれ?と思ったら、参道には「稲荷心経」と並んで「般若心経」が
売られていました。
山頂までは本当にほとんど人に会わないので不安になりました。
途中で出会ったおじいさんに「山頂に行きたいのですがこの道で会っていますか?」と尋ねると
「本当に行くのかね?ではこの道を左左と行きなさい。
右に行く道があってもそこは行かれない。
左に行けば山頂に行く。」と、なんだか日本昔話の仙人のよう。
たぶん私の姿がロングスカートに、半そでのセーター、山盛りのコサージュという
らしからぬいでたちだったから(笑)?
とはいうものの、右にもたくさん小道があって
滝の音がしているので寄り道してみると、そこはかつての滝行の修行の場でした。
でも「崖にひびが入っているので自己責任で」とか書いてありますし、
滝によっては水も流れていない全くさびれたところも。
最後はけっこう急な山登りが待っていました。
ふらっと立ち寄ったのがこんなことになって、でも何か予感がしたので
一応ペットボトルを2本買いこんでの登頂です。
一ノ峰のお宮にお灯明を捧げて、帰りは鳥居の並ぶ
観光客が大勢の道を楽に戻ってきました。
「神と仏」と整理される前の混沌とした風景を見て、
体系化されたものにはかならずそういうのがあるわよねといたく納得。
さて、長いご報告ですが、作品展の成功をお祈りしてきましたよ、もっちろん♪
こ~~んなお山にまで登ってきましたからね、
大盛会まちがいなしね!!
本日搬入です。
明日からですよ~~~。