




出かけようと身支度を整えているところへ
長女が飛びついてきた。
地震。
佐久から高速バスで来た母は何も知らずに到着。
そのあと高速道もストップ。
夕方から東京へ出かけるはずの夫は
新幹線がストップして出かけられず帰宅。
ひとつひとつが細かいパズルのように重なって
家族がそろった。
仙台の親戚の安否確認。
夫の両親のいる函館の津波の情報を
真夜中のテレビで夫と知る。
ある会社からきた文書の流れの中に、
ついうっかり入れたと思われる
社内でのやり取りの一文が入っていた。
上司から部下へ指示する内容で、
「○○じゃなくてもいいけどね」・・・。
多分指示を転記する際にそのままメモをコピーしたのかと。
別に悪口ではないけれど、
聞いてはいけない電話口の向こうの会話を
うっかり聞いてしまったみたいな後味の悪さ。
文章見直ししているつもりでも、
相手の立場に立たないと発見できないこともあるのね、
改めて怖いな~と思いました。
とってもお世話になっている東京の出版社の社長さんから
朝、突然ケイタイにお電話をいただく。
「今長野でしてね~」
相変わらず素晴らしいフットワークで
全国を走り回っていらっしゃるご様子。
お昼をご一緒するお約束をして、
善光寺近くのお蕎麦屋さんでお待ちすると
秘書の方とおふたりで現れて、やっぱりお元気そうなご様子。
長野の書店さんに仕事の打ち合わせできたこと、
最近の仕事の様子などを、まるで魔法のようなカバンから
ファイルや本を取り出し説明してくださる。
「これ懐かしいと思いますよ」といって取り出されたのは
6年近く前に信濃毎日新聞社さんで出版した私の本についての資料のファイル。
当時ある方のご縁を頂きこちらの会社に販売のお手伝いをお願いしたときの、
私の自筆の手紙やスクールのパンフレット、本の初稿や
発売当初の信毎さんの広告の数々・・・・
本当に懐かしくて、その資料を見ていたら、
あの右も左も分からない中から
編集者さんとああでもないこうでもないと積み重ねてきた
1年間の製作の日々が思い出されて、ほんの少しのどの奥が痛くなった。
それにしてもこうしてきちんとこのようなものを
とっておいてくださるとは・・・。
「私ははじめて仕事をしたときの資料をこうして取っておくんです。
そのときの気分のようなものを忘れないためにね」
年配のその社長さんが、かくも元気に好奇心を失わず
常に新しいことへ挑戦していらっしゃる秘密の一端を
垣間見た感じ。
「初心」をストックしていたなんて・・・。
恥ずかしいことに、人から見せられて「忘るるべからざる初心」を
思い出している私でした。
「ではこのあとまた東京で仕事がありますから、
お元気で!」と嵐のようにかえっていかれました。
突然のご訪問に、何の予定もなくお迎えできた本日に感謝です。
名刺・・・ほとんど使わないから忘れてたけど、
気がついたらもうあまりストックがない。
で、気がついたら周り中そんな状態。
封筒も、スクールのパンフレットも、
カルチャーのパンフレットも、名刺も・・・ストックが残りわずか。
こういうことって一度にやってくるのでしょうか?
毎年それなりに小さな変化はあるものの、
ほぼ7年の間大きな出来事がなかったので
それほど大きく作り変える必要もなく使い続けてこれた。
さーて、どうしようか?
さすがにここのところの変化は大きくて、
そのまま使うにはちょっと。
過渡期にいることを物質的にお知らせいただいた気分。
ガラスのブーケホルダーが製造中止になりました。
カラコレスでライセンスコースのブーケ製作時に
使っていました。
日本でたった3名の職人さんしか作ることの出来ない
繊細で高度な技術を要する作品です。
職人さんたちを追いかけて独自のインタビュー記事も作りました。
http://www.caracoles.jp/001716.html
その職人さんたちが普段は理化学系のビーカーやフラスコなどを作っていて、
そういったものが職人さんの手作りであることも驚きましたが、
誤差の許されない大変デリケートな仕事であることも
このとき知ったのです。
ブーケホルダーはプリザーブドの華やかさを引き立てていて
生徒さんにも大好評。
これからももっともっと職人さんたちに製品の魅力を語っていただこうと
思っていたので残念で残念でなりません。
良いものでしたが価格も高く、
物によっては1つ10万近い値がつけられていました。
それだけの価値ある品物でした。
販売店はそんな素晴らしい商品であることを
お客様にしっかり伝えることをしてきませんでした。
ですから私が変わって職人さんの生の声をひろい、
いずれ工房も見せていただきもっと魅力を伝えるつもりでした。
お花のお教室では年間1つ2つしか出ないとおっしゃっていたこのホルダーを
カラコレスでは昨年だけでも10数名の生徒さんが使い
その魅力に取り付かれていました。
まだまだ職人さんに聞きたいことがたくさんありました。
そのための準備も進めていたのに・・・。
当面レッスンでは買い置きしてある分と、
今回ぎりぎり入れられるだけの品物でまわしていきますが、
それも在庫のある限り。
「あの幻のガラスのブーケホルダー」となることは
間違いありません。
価値のある工芸品が日の目を浴びることが出来ずに消えていくのは
本当に残念でなりません。
夫がまるで「母親」のように大活躍している。
長女の大学での住まい探しや家材の購入、引越しの段取りまで…スマートで美しい。
私に割り当てられた「役割」はベッドとカーテンを
長女と一緒に選ぶこと。
長女曰く、「ママと一緒に買い物に行きたくないんだよね。
パパだったらあちこち歩き回って『コレはあっちのよりどうだ』とか
いろいろ調べてくれるのに、
ママぼーっと立ってるだけであんまり役に立たないもん。」
大爆笑!おっしゃるとおり。
そして「カーテンレールは二重になってるからね」と細かい指示が飛ぶあたり。
夫も私を信用していないな!
よし!
すご~いベッドとカーテン選んで見返してやるのだ!!
私は普段からぼーっとしているので
周りに世話焼きタイプが充実している。
夫、長女、両親、夫の両親、妹
何かとよく登場する友人・・・
ざっと思いつく限り日常に関わるほとんどすべての人が
「よく気がつき、こまめで、身軽に動く」世話好きタイプ。
義母などはもう女性として完璧!
小6の長男だけが私と同じでちょっとちがうポジションなのだ(笑)
で、何かとよく登場する世話好きな友人の、
「世話好き度」は半端ではないのだ。
ところが彼女を中心にした家族は、みんな「世話焼かれタイプ」。
旦那様も、女の子、男の子どっちも。
つまり彼女はどこへ行ってもこまめに世話を焼いている。
これってどこが最初なのか不思議。
自分がそうだから周りがそうなるのか、
それとも周りの環境に合わせたらそうなったのか・・・。
一度タイプを交換してみるとか・・・。
(出来たらとっくにやってるわよね)
卒業試験の受講者が相次いでいる。
たくさんの花材を前に2時間で大作を仕上げる。
花材はすべての種類を使いきらないといけないし、
デザイン起こして製作が終了するまでが2時間。
この卒業制作を経験すると、
なぜかとっても力がつく。
「考えて作る」ことが出来るようになるからかも。
試験開始後数十分をどう使うのかがとても重要。
あわてて目の前のものから手にとって始めないこと。
やっていけば何とかなる・・・はお勧めできない。
途中でのデザイン変更は大変なロスになるので、
完成形が見えるまで動かない忍耐力が必要かも。
デザインを完成させ、どこにどのようなテクニックを使うのかを
決めて、それが時間内に収まるかを確認。
そこまでしてからはじめる最初の作業は、
無意味な焦りから開放される。
来月もまた卒業試験の生徒さんがいるので、
ほんのすこしアドバイスでした。
落としそうになりました、ブログ。
高校の卒業式。
夫と2人で参加するのは運動会以来のイベント。
女の子ばかり二十数名、
仲の良いクラスで、卒業式後も写真を撮ったりお話したりと
名残惜しそう。
多分ずっと長く続くお付き合いだね。
大切にしようね。
長女が来月1日にお引越し。
大きな買い物は大体済ませて、今度は日用品の用意。
家にあるお気に入りの食器を
箱に詰めだす。
君はほんとに行くんだね♪
受験でも家具のお買い物でも今ひとつぴんと来なかったけど、
いつも使ってた「かわいい食器」を
箱に詰めてる姿を見て、
「おお~イニシエーションだ~…」
と、思った母でした。


